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君は死んだノラ猫を売れるか? 2005/09/20(火)
すごい言葉ですね!!最初みたときは
ほんとに死んだノラ猫を売っているのか。。
とおもいました。(冗談ですが・・・)

日本電産の永守重信さんの言葉です。
永守社長は、技術者であり、一級の営業マン。
このカリスマ社長は弱い会社は営業の弱い会社だといいきる。

私がみるところ弱い会社は全般に営業が弱い。
彼らは「よいものは売れる」と信じている。
それでも売れなければ、「安くすれば売れる」と考える。
つまり営業軽視だ。
それでは売れるわけはない。
モノ不足が続いた高度成長期ならともかく、今はモノが溢れている。
そんななかで売ろうとするには、商品そのものを知らしめる努力、売る熱意が必要だ。
その点日本電産の営業は自他ともにみとめる強い営業である。

ダメな会社の営業マンは売り上げが伸びないときに「品質が悪いから」「納期を守らないから」
「値段が高いから」と言い訳をする。
要するに開発や工場など他の部署が悪いということだ。
だが考えてみてほしい。本当に安くて品質が抜群で納期も完璧に守るとしたら、営業の出番があるだろうか。
世の中営業がいらない会社がある。
たとえばデイスカウントストアは、店内に一流ブランド品をどこよりも安く豊富に陳列しているから、営業マンがいなくてもやっていける。
しかし、扱っているものが、無名ブランドで欠品も多く、値段も安くないとしたらどうだろう。
「品質が悪くて納期をまもらない商品を高く売る。だから、おまえら営業が必要なんやないか」
私はよくこんな言葉をつかって営業マンを鼓舞するが、悪条件のなかでモノを売るのが営業という仕事なのだ。
そのことをしってほしくて、新人営業マンをつかまえると私は必ず「君は死んだのら猫を売れるか?」と問いかけることにしている。
同じ猫でも血統書付きなら簡単に売れるが、
ノラ猫は売るのは難しい。
ただでさえ売れないのに、それが死んでいるとすればナオサラだ。
ブランドもなければ「生き物をかわいがる」というペット本来の価値もない。
死んだノラ猫は、ないないづくしの商品である。
しかし、これをうれます!というのがプロの営業マンというものだろう。
私にはこういう経験がある。
28歳で日本電産をおこしたときに、工場として借りたのは納屋のような建物だった。
工場はそのありさまだし、創業したてだから社歴はないし、経験も知名度もない。
サンプルやカタログ、会社案内のたぐいもなかった。
そんな中で私は次々と大小の工場を訪ねては
「モーターはいりませんか。注文をいただければ立派な工場をたてて生産します」と営業をかけていった。
要するに、これは死んだノラ猫を売り歩いているのと一緒である。
もちろん簡単には注文をもらえない。
なんとか話を聞いてもらえても「あんた28歳では経験もないんやろ、カタログももたずに何を売りにきたんや?」といわれる始末だ。
しかし売り物はあった。私は胸をはって「私を売りにきました」と答えることにした。
私の人間性を認めてもらい、そこから仕事や会社への信用につなげていこうと考えたのである。
今でも営業マンには必ず「商品をうるまえに自分をまず売れ。自分を売らないかぎり商品はうれんぞ」といっている。
なぜならお客様は、よく知らない商品をいきなり買ってくれるものではないからだ。
それよりも営業マンが人間性をみせることで
「この人間なら買える。この人間が持って来る品物なら信用できるな」と思わせるのだ。
そうすることで、会社や商品に信用ができ実際の取引につながっていくのである。

HOW would you sell a dead cat?

あなたは、どうお感じになりましたか?

「プレジデント」より抜粋
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