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会議をコントロールする方法 |
2006/04/10(月) |
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精神科医の先生のブログより!
コミュニケーションには、適切な距離が必要であるということです。
これは、二者関係ではなく集団にも応用できるでしょう。
精神科医として、以前私はコラージュ療法という芸術療法をやっていました。
コラージュ療法を集団、すなわち6〜10人くらいのグループで、統合失調症
やその他の疾患のコミュニケーションの乏しい患者さんを集めて集団療法的に
かかわり、自発性を高めようという試みを行なってきました。
コラージュ療法といってもわかりづらいですか、一言で言えば貼り絵です。
参加者が雑誌の切抜きなどの貼り絵で作品を作って、最後に見せっこして
意見を言い合う。
それだけのことです。
しかしながら、普段人と積極的に会話をしないような、ベットでずっと寝て
いるような自発性の低い患者さんを対象にしていますから、一言、二言、意見
を言ってもらうだけでも大変です。
そこで、普段ほどんどしゃべらない患者さんに話をさせるコツがあります。
私が何か特別な言葉をかけるわけではなく、会場、すなわち場所を設定する
段階で既に決まってしまいます。
すなわち、小さめのテーブルになるよう、そして隣の席と近めに、テーブルと
イスを設置しておくのです。
机はよく会議室にある折りたたみ式の机ですから、それをどう組み合わせる
かで、好きなように全体のテーブルのスペース(広さ)を決定できます。
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□□□□□□□
▲□□□□□□□
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パータンA
例えば、パータンAのように設置しておきます。
▲は、司会者の私。●が患者さんです。
正面との距離は二メートル以内。
横は80センチ以内です。
お互いに手を少し伸ばせば触れるほどの距離ということです。
ダメなのは、次のようなパターンです、
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▲□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
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パータンB
広々とした方が良いだろうということで、パータンBのようにテーブルの
スペースを広くしてしまうと、自発的な会話がほとんどでてこなくなって
しまいます。
黙々と作業します。
発表会の場面でも、自分から意見は言わなくなります。
正面は2メートル、横は80センチ以上あくと、急に話しづらくなるでしょう。
黙々と作業させたい場合、作業効率を上げたい場合は、このパータンも良い
かもしれません。
しかし、コミュニケーションは疎になります。
その理由は、「コミュニケーションには、適切な距離が必要であるという」
ことがわかっていれば、もう説明はいりませんね。
4メートル離れたテーブルの正面の人と、軽い雑談をするというのは、
非常に困難。
普通の声の大きさでは通じづらくなってしまうので、声も大きくしないとい
けない。
わざわざ声を張り上げてまで主張するような重要な話題でもない限り、
話さなくなってしまうのです。
これをあなたの会議に応用しましょう。
最初から会議室もテーブルも、そして席順まで固定されている場合は使え
ません。
しかし、「今日は11時から、会議室Bで会議をするので机とイスを並べてお
いて」と言われることはあるでしょう。
この場合は、自分で場の設定ができます。
会議といっても二通りの場合があると思います。
サックリ終わって欲しい場合と、ジックリ議論したい場合です。
例えば、予算とか決算の承認とかそういう話であれば、あまり詳しいところ
は突っ込まれたくない。質問などもされずにサラーッと流して、15分くらいで
終わって欲しいものです。
そんなときは、テーブルをパータンBで広めに設定しておきましょう。
すると議論が盛り上がらない。
質問もしづらいのです。
モチベーションが非常に高い人しか発言しないということになるでしょう。
一方で、新しい企画の立案をする会議のように、いろんなアイデアを出し合
ったり、激しく意見を交えて、良いものを作らなければはけない、という会議
もあります。
白熱した議論が望ましいという場合です。
この場合は、パータンAのように、少し狭くスペースを作っておく。
そうすると、意見が言いやすい。
ささいなことでも言葉に出しやすい。
活発な意見交換ができるというわけです。
小学校の子供たちが、すぐにおしゃべりしてしまう理由は?
机の配置が、パータンAのようにギュウギュウ詰めになっているからでは
ないでしょうか?
少し余裕のあるスペースを作れば、子供たちの集中力も高まるでしょう。
前回のようにクレームに対応する場面なら、クレームのある顧客と、
向かいの距離が1メートルのテーブルと2メートルのテーブル。
どちらに座って話してもらえば良いでしょう?
もうおわかりですね。
広いスペース(相手との距離が遠い方が)が良いのか。
狭いスペース(相手との距離が近い方が)が良いのか。
常にも相手との距離感を考えることで、ケース・バイ・ケース。
いろんな場面に応用ができますね。 |
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